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化学・環境プラントなどで取り扱う物質の物性値は,化学プラントの設計・運転に際し,必要不可欠である.化学プロセスの設計は物性値なくしては不可能である.必要とする温度,圧力,組成における物性値の実測値は存在しない場合が多い.このような場合,何らかの方法により求める条件における物性値を計算しなければならない.実測によるのが最善の道であることはいうまでもないが,多くの場合,時間的制約もあって不可能に近く,またその必要もない. それは,物性値に関する理論的研究ならびに測定値により得られた物性値についての知見により計算により決定することが可能なことによる.このような方法を物性値推算と呼び,多くの研究者により日々改良が進められている。 |
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物性値とは 物性値とは物質に固有の性質であり,物性の中で数値的なものが物性値である.物性値は物性常数,物性定数,物性データ,物理化学定数,物理定数などとも言われる.物性値には密度,比熱,粘度,臨界温度,臨界圧力,臨界容積,蒸気圧,蒸発熱,融解熱,熱伝導度,表面張力,拡散係数などがある.この他に,電気磁気物性,光学物性,各種材料の物性などがある. 物性値の調べ方 物性値を調べるには便覧を見る.便覧に無いときは,学術雑誌に掲載されている論文を調べる.最近は,インターネット上に物性定数を掲載しているウェブサイトが多い.これらウェブサイトは無料のものも多いが,有料のものもある.物性値を専門的に利用するエンジニアリング産業などではプロセスシミュレータの中にデータベースとして収録してあるものを利用している. 物性値の計算法 物性値を調べた結果,見つからない場合は計算により求める.計算は物理学,化学,物理化学など理論に立脚した方法による.例えば,気体の物性値は対応状態原理により計算する.しかし,これら,理論的な方法ですべて計算できるわけではない.この場合,経験的な方法による.例えば,臨界温度(K)は融点(K)と沸点(K)の和である.経験的な方法と理論的な方法を組み合わせる方法もある.例えば,原子団寄与法がある.物性値を計算する方法を統一的に体系化した学問を物性値推算法あるいは物性推算法と云う. |
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蒸留・蒸気圧・気液平衡・物性推算 化学工学で必要な物性データとプログラム |
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